今の自分で10年前に戻れたら・・
あのような選択はしなかっただろう。こうすればよかったのに。
と、愚かしい、恥ずかしい、悔しい、悲しい過去の一つや二つはどなたもお持ちだと思います。
あの時があったから今の自分がいる。と、次に活かして経験値の上書きをして蓋をしていけば悲しい過去に苦しむこともなく、今現在を幸せに生きる自分でいられる。
子育てにおいても究極は自分自身が機嫌よく楽しく生きている姿を見せることで「大人になるって、働くことって楽しいことなのだな。」と思ってもらえるような、人生を楽しむ大人の見本になることが目標でした。
なので、家では極力傷ついたことのないような、無敵のブルドーザーのような母を見せるようにしてきました。
先日、かなり過去まで遡った話をする機会があり、芋づる式に色々なことが思い出され、表面上は上手に蓋をして人生が進んでいても、自分の記憶の中では消化しきれていない感情が渦巻いていることを知りました。
記憶や感情の蓋など容易に開くし、いつまでも新鮮なまま当時の気持ちのまま臭い続けているのです。
それを認めるのが怖くて、上手に上書きして隠していた蓋を外した時・・
30年前の、20年前の、10年前の、1年前のあの時・・
蓋を開けてみると意外にも、未熟な自分が腹立たしい、恥ずかしい、というよりも、まだ人生の選択肢(経験値)のない中で、あの時はさぞかし難しく辛かったでしょう。よく頑張ったね。おかげで今の自分がいるよ。ありがとう。
と、もういじらしくて涙が出る。そんな気持ちしか沸いてこなくて。
未熟で拙い自分ではあるけれど、その時々一生懸命向き合ってきたこと。赦してきたこと。
失敗まみれで悔しくて悲しくて、そんな中で最善ではない選択をしたかもしれないけれど、その道を進んできてここまで自分を運んでくれた過去の自分。
今の自分であの時に戻れるならば、今の自分の経験値でやり直すのではなく、ただ「大丈夫だよ。ありがとう。」と抱きしめてあげたい。
そして、今の自分も未来の自分に「ありがとう。」と言ってもらえる自分でありたい。
そんなことを思った春の日でした。