効率とクオリティの共存について
2023.05.30
小学1年生の頃、放課後は学校近くの祖母の家に帰り、母親が迎えに来るまでの数時間を祖母と過ごしていました。
当時、祖母は箱作りの内職をしていました。
いわゆる四辺を谷折りにして蓋をはめるというシンプルなもので、ちびっこの私にもできそうなお手伝い。
最初は祖母の手元を見習いながら1つずつ組み立てていましたが、「あれ?2つ重ねたら1回の作業で2箱作れる!」と気づくわけです。
ということは・・
5つ重ねたら一気に5つ。と天才的発見(!)をしてしまった自分にワクワクが止まらず、急ピッチで箱を積み上げて行きました。
優しい祖母は「早いね!助かるわ。ありがとう!」と、笑顔でちびっこの自尊心を満たす模範解答をした後、私がいないところでやり直していたと思われます。
厚紙なので2枚までは箱のクオリティを損なわず作成できる許容範囲。
3枚以上になると重ねたときに折り目の角度が甘くなり蓋が開けにくくなるわけです。
この業務はこうすれば効率が上がるよね。と数パターン考えたとき、クオリティが担保できるか、願わくはクオリティまでも向上する方法であるか否か。
効率とクオリティは必ずセットで考えるようになりました。
これは!とひらめいたときほど要注意。
はやる気持ちを押さえながら、いつも祖母の箱のことを思い出します。
ありがとうと言ってくれたけれど、本当にこの工夫はエンドユーザーまでを幸せにしているのか。
そんなことを自問しながら本日も「あんなこと良いな、できたら良いな」と妄想しております。